公共政策ラボ 会員募集再開!

公共政策ラボとは

地縁・血縁から切り離された個人が「公共」という新たな関係性(アソシエーション)のもとで自立的につながる、そういった社会の創造が求められており、行政が果たす役割も鋭く問われていると考えます。

このような問題意識のもと、地域社会の再生を基本に、行政も社会の一員としてその果たす役割を考え、社会の全体改革に繋げていく、その具体的方策を検討していくことの必要性を痛感し公共政策ラボを立ち上げ、様々なシンポジウム、セミナーを開いてきました。

大阪市では2015年に「市の廃止・分割」という住民投票があり、廃止を免れる住民の意思が示されたものの、11月の知事・市長のダブル選挙で共に「おおさか維新」の候補が当選するという結果となり、現在、またもや「廃止・分割論」が大手を振って繰り広げられようとしています。

地方自治とは誰のためにあるのか、国政とは何か、当然市民、国民にとって住みやすい街、国のために政治がなすべきことを示されているのかどうか。そうしたことを微力ながら発信していきたいと思います。

平松邦夫

宮本憲一先生へのインタビュー(再掲)

2019.10.07

去る2015年5月7日(住民投票の一週間前)に宮本憲一先生(大阪市立大学名誉教授、滋賀大学名誉教授)へのインタビューをさせて頂き、昔のホームページで公開した動画を再掲すると共に、宮本先生のお話の部分を文字起こししました。

来年の秋にもといわれる二度目の住民投票は、公明党の「賛成」への心変わりや、圧倒的な議員数を誇る維新の勢力により、「大阪市消滅」の危険性は遥かに大きくなっています。あのとき反対票をという運動をした私たちや多くの市民にとって、大阪市をなくすことが、大阪市民にとって本当に良いことなのかどうか。当時の記憶を呼び起こしながら、現在「法定協」で議論されていることの内容などを注視しなければならないと感じています。

この動画は3回に分けてアップしました。
その第1回「大阪市廃止は暴挙である」(8分)のリンクはこちらです。

動画は8分ほどですが、宮本先生のお話の部分のテキストを貼り付けますので、是非お読みくださいませ。

なぜ、大阪市廃止の住民投票は「暴挙」なのか

「大阪市とは歴史的に形成されてきた、日本あるいは世界に誇る大都市なんですね。

そして24のコミュニティを基軸にする区からなっている。そういう伝統を持っている都市なんですけれど十分な議論をしないまま、そして住民が全くその内容を理解しないまま大阪市を廃止するというのは、どう考えても私は暴挙だと思います。

例えばニューヨークや、あるいはミラノ、これを廃止してしまうんだといったら、おそらくニューヨーク市民だけではなくて、アメリカ国民が仰天しますよね。不思議なのはこの大阪都構想が出た時に日本国民全体が仰天しなきゃいけないはずだと思うんですね。

難波宮以来、形成されてきた日本を代表する大都市を、簡単に住民投票で廃止するっていうことしていいのかどうか。例えば京都市に私住んでるんですけど京都市の市民に京都市を廃止するぞというと絶対反対でしょ。近くの堺市でも反対したわけでね。当然自分たちが作ってきた自治体、そして歴史的な伝統があり、それぞれ生活関心や文化が確立している地域をですね勝手にその行政区域を変える、これは日本の悪い所ですよね。明治以来、何かあると市町村合併やるんですが、こんな無茶苦茶な国がないわけでしてですね。

やっぱり歴史的に作られてきた自治体というのは一種の生物みたいなもんですから、その生物の頭と手足を切ってしまって、それで別なものも作るって言えるかどうか。それは歴史の上でありえない世界で初めてくらい大都市をつぶす悪例だと思いますね。」

賛否拮抗と報じられる世論調査をどうみるか。

「確かに戦後の大阪府大阪市、この政治を見ますと、市民をして大阪市批判をする、そういう失敗っていうのがですね確かに繰り返されたこともあると思うんですね。ただ私はまあその戦後の大阪府、市の失敗を見ますとそれは戦前の大阪が思っていた誇りっていうものではなくて、東京の真似をする、東京を追い越したいという、それで作られてきた政策が多く、その失敗のせいだと思いますね。例えば大阪はもともと商都であり、かつ民生的な産業の多い地域で、ある意味では東京とは違い、自由な経済制度を持っていたんですけど、戦争の統制経済からでしょうねぇ。

東京の地位が上がってきて、かつ戦後占領軍の統制があって、そのまま権力の都である東京に経済力が集中していくという形になりましたね。

それで大阪の人たちはその後、東京に追いつけ追い越せという形で、例えば堺泉北重化学工業を誘致したんですね。あれは大失敗で非常に美しい関西随一の海水浴場があったり、住宅地域の美しいところを重化学工業地帯にしてしまって、これは全然地域経済に寄与しなかったんですね。もうすでに新日鉄なんかこれを止めてしまっていますし、それから公害の街としてしまったわけですよね。

その後その東京が筑波学園都市を作るんだというその真似をして阪奈学園都市を作ったんですけど、これは間違いで私はその頃そうじゃないんだと、大阪の一番いいところは集積なんだと。住まい地域にたくさんの産業や知恵を集めている。だからむしろその大阪市内の大学や研究機関を集積させるっていうのがね大阪の生き方なんですね。それを筑波学園都市の真似をしたものですから、あれは完全な失敗で、筑波はうんと国が金を投じましたけれども、大阪の場合には自分でやれという形になったから全然安定しないわけですね。

あるいはオリンピックを東京でやったからそれでオリンピックを誘致する、十分な配慮のないままそういうことを積み重ねてきているわけですね。今度は東京の真似をして東京都導入すれば東京都と同じように発展するって考えてるんですけど、これは完全な間違いで、東京都のように大阪都になったらじゃあ中央の官庁、例えば、経産省が来るかとか、あるいは財務省がくるかというとこんなことありえないです

都になったら国家の財源をくれるかということもありえないわけで、つまりそういうありえないことを、あたかも、都という言葉を使えば東京都と同じように発展する。あるいは東京にいっている本社が帰ってくるって、考えることが十分な分析をした政策論ではない、思いつきに過ぎないっていうと思いますね」

以上書き起こしでした。

お知らせ・活動情報

2019.05.09

きたる6月22日(土)に「緊急検証 大阪市がなくなる」を出版された吉富有治さんをお招きし、出版記念講演会を開催することになりました。

著者の吉富有治さんは「大阪破産」(2005年)、「大阪破産第2章 貧困都市への転落」(2009年)、「橋下徹 改革者か壊し屋か」(2011年)「大阪破産からの再生」(2013年)、を著し大阪ウォッチャーとして活躍されております。
  

また、フェイスブックなどSNSを通じても大阪の現状に警鐘を鳴らし続けてこられましたが、所属されていた大谷昭宏事務所からこの春独立され、その第一弾の著書として「緊急検証 大阪市がなくなる」( 出版:140B 税込864円)を出されました。

吉富さん自身によりますと「①なぜ維新は選挙に強いのか、②反対に自民党大阪はなぜダメなのか、③維新とはどのような政党なのか等々といった本質的な問題をコラム風につづったものです。
ご存知のように、出版にあたってはこのフェイスブックで始めた「ヨシトミの毎日、ときどき隔日の随感」がきっかけといわれ、また「自分で言うのもなんですが、この本、ハッキリ言っておもろいです。ゲラチェックしながら内容に笑ったり怒ったり、あるいは感心したりと自画自賛。このあたりは全体を統一的に構成した編集者の熟練したワザだと感心した次第。巻末の対談も読み応えがあります。」(5月7日投稿FBより抜粋)といわれています。

公共政策ラボのセミナーや大阪を知り・考える市民の会の集会でもお世話になった吉富さんが、今の大阪の現状をどうとらえ、どう発信されるのか大いに楽しみにしておりますし、上記FB投稿にある編集者とは江弘毅さん、巻末対談というのは松本創さんという、これも私にとって親しい人たち。

今から読むのを楽しみにしておりますが、当日は本書の即売会もさせていただきます。どうぞお誘いあわせの上、お越しくださいませ。

日時;2019年6月22日(土)午後4時開場、4時半開始 午後6時半終了予定 定員100人
場所:NSビル9階 大阪市中央区谷町2丁目2-22 浪速産業本社ビル
参加料:公共政策ラボ会員は700円、一般の方1000円

お申込みはメールでお願いします。メールアドレスはhiramatsu.ppl@gmail.comです。
イベントページも立ち上げる予定で、懇親会なども考慮中です。それは後日ホームページ等でお知らせいたします。

NSビル外観

 

2019.03.12
TBSの「ひるトク」で大阪問題の大特集をやっている。しかし、政局の話ばかりに重点が置かれ、「面白おかしく」話を進めている。
大阪都構想の本質「大阪市を潰し・4つに分割するとどうなる」という話がここでも置き去りに。
 
「世界」の4月号に森裕之教授が「都構想・万博・カジノ」を寄稿されている。P177から内容を抜粋、編集させてもらうと以下のようになる。
 
森先生は、まず「財政効果」に触れる。
あの住民投票では府・市合わせて、年間2~3億円程度しかプラスにならない一方で、初期コスト680億、年間運営コストが15億発生。
今回の「構想」では府・市は140億円という財政効果の数字を示したものの、このすべてが二重行政とは関係ない民営化・民間委託・経費節減であ、そうしたものを除外した財政効果は「たったの4000万円」しかなく、大阪市(特別区)ではゼロ!と喝破。
ゼロに等しい、「効果」に対して新たな負担は大阪市(特別区)だけで初期コスト520億円、年間運営コスト24億円と試算されていることを紹介。
 
「大阪都構想」はもはや検討に値する代物ではないと結論。
 
マスコミは本質を伝えることから背を向けているのではないかとすら思ってしまう。
2018.01.17

いわゆる「大阪都構想」に向けて法定協議会が開かれていますが、その第6回が昨日開催されました。関西のニュースなどでも取り上げられていましたが、今は正式には「大都市制度(特別区設置)協議会」という名称ですね。 (さらに…)

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