番外編 ええ?!「大疑惑って??」

2022.12.17

住民投票を求める会の動きを振り返って、今回は私たちのチラシを主にご紹介しようと思っていましたが、ツイッターで流れてきた動画を見て、驚きと同時にあきれ返ってしまいました。

松井市長のぶら下がり会見?の様子(出典はわからず)で、12月12日にMBSが放送したIR用地の賃料に関する「スクープ」に、松井さんは余程頭にきたようで、追加取材のこの記者にもバトルモード全開という感じ。ついには平松時代に毎日放送の社屋建設に助成金を出したのはIR用地の賃料など問題にならない「大疑惑」であるというコメント。いやぁ、のけぞるほど驚きました。

つまり、毎日放送が新社屋建設にあたり、助成金(だったと思います)を申請し、それが私の出身会社だったことから、大疑惑だというものです。府議から知事、地域政党前代表そして大阪市長を歴任している松井さんが、大疑惑などという表現を使うからには、どんな証拠があるのでしょうか。

この件については担当者から事前に報告があったので覚えていますが、時期だとか、だれが報告してきたのかは記憶にありません。記憶をたどっても、もう11年前のこと。報告に来た担当者には「私の出身会社だから、手加減などは一切しないこと、公金支出にふさわしい案件であるかどうか厳正に、むしろ厳しく審査してほしい」と伝えたことは覚えています。

請求趣旨は「最新の免震構造をもった新館を建設することで、災害時における情報発信機能の維持にもつながる」ということだったと思いますが、助成にあたってこうした条件をクリアできていれば、認可されるという流れは当然ですし、情報公開を徹底していましたので「大疑惑」などという表現は全く的外れとしかいいようがありません。

退任後、様々なSNSなどでこの件を「疑惑」だという匿名の投稿などを目にすることはありましたが、あぁ、また勘違いしている…程度で過ごしてきました。今回、敢えてこの件を取り上げたのは、公職にある人が根拠を示さずに、私と毎日放送の名前を上げ、「大疑惑」と決めつけるような「維新の会」テイスト満載の反応だったからです。MBSの「スクープ」のリンクはこちら

(画像をクリックすると別画面で開きます)

多くの取材を通じて、IR用地の不動産鑑定が、4業者のうち3社が全く同じ金額を提示しているのは不自然だというもの。しかも事前の大阪市の参考価格ともほぼ同じというもの。

会見動画の出典がわからず、そのまま保存してリンクを貼りましたが、1分過ぎから取材記者(おそらくMBS)に本件を「大疑惑」と話しています。
もう、市長を退任して11年以上経っているのに、まだ名前が出てくることに正直驚くと同時に、真相を知りたければ、知事や市長なら問い合わせればすぐに審査経過や本当に「疑惑」といえるのかどうかはつかめるはず。そうであれば、私はどこかで訴追されていたかもしれませんね。
なお、取材記者の方は、おそらく、昔の助成金の流れなどは知らなかったのではとも思いました。

公共政策ラボの今後について その6

2022.12.08

1から6まで今年の住民投票をもとめる会の活動について今回が最終回です。「もとめる会」関連の動きを振り返ることで、市民運動の成果を書き残したいという思いでした。

いよいよ最終盤での盛り上がりについては、その都度、私なりにSNSで発信し続けました。「署名ステーション」が府下の各地で展開され、その輪が確実に広がりを見せ、最終日前日の「もとめる会」HPでは、確認できた署名数が法定数まであと1万筆と伝えています。事務局でも日々の集約作業に拍車がかかり、連絡作業なども「見え始めたゴール」に向かって、疲れなど感じさせない盛り上げりを見せていました。

運動を始めた当初は直接請求運動自体の「不都合な」煩雑さを高いハードルだと思っておりましたが、市民運動が盛り上がったときのダイナミズムといいますか、迫力に圧倒される思いでおりました。ひとりひとりの市民が「カジノ」に対して不安を抱く当然の気持ちを無視し、コロナ禍を言い訳にして、公聴会・市民説明会を中途半端以前の状態のまま、府議会を通し国に請求してしまった大阪府の現実を多くの人に知ってもらえる機会にもなりました。5月24日と26日(締め切り翌日)の事務局通信見出しです。


5月24日通信はこちら

そして26日の通信はこちら

各市区町村から各選管のチェックを受けて、続々と入ってきた署名数などを集約し、大阪府に提出したのが7月21日でした。これまでの動きをフリージャーナリストの幸田泉さんがまとめたヤフーニュースのリンクを最後に貼り付けます。

62日間の活動期間を振り返りましたが、書ききれない思いは、この活動に参加された皆さんにも共通で、この運動を記録に残そうとされている方たちもおられます。「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」(改称して現在は「夢洲カジノを止める会」)のホームページにはこうした記録がしっかりと残っております。リンク

なお、次回以降は私たちが発行したチラシなどを中心に「大阪カジノ」の問題点を指摘していきたいと考えています。

公共政策ラボの今後について その5

2022.12.06

苦戦が続いていたというか、メディアが殆ど触れない中で市民グループとしての動きの限界かとも思いました。「求める会」の活動については1分ほどのショートニュースで取り上げられるくらいでした。そんな中、5月10日にMBSが取り上げた8分余りの特集『父の博打に…入学祝いのカメラが消えた』が少し潮目を変えてくれました。この動画は今でも見られます。リンクはこちら

この放送では、「5月8日時点で署名数は署名数は凡そ4万8000筆、法定数の15万筆には程遠く、、正確な数も把握できていないのが現状です」と伝えていました。そうなんです。大阪府下72市区町村でそれぞれ自由意思で活動してくれている方たちが集めてくれている数を把握することが如何に難しいか。朝から晩まで事務局に詰めている人も、署名数を集約するより1筆でも署名を集める活動に力点を置かざるを得ませんでした。

そんな苦戦が続いていた活動にドライブがかかり始めたのは、やはりマスメディア、特にテレビの力は大きいことを、今さらながら実感しました。当然ですが、放送内容は住民投票を実現してほしいという求める会の側に寄ったものではありません。それでも街頭署名活動の際に「あぁ、テレビでやってた活動やね」という反応が出始めたのです。この間一番数多く紙面で取り上げてくれたのは部数は少ないですが、「大阪日日新聞」でしたね。残り一週間という5月18日の求める会ニュースです。リンクはこちら

5月24日、あと1日の活動期間というときに「東京新聞」が「大阪カジノ 住民投票できる?」という記事を特集するなど、盛り上がりは各地で「署名ステーション」ができて、求める会SNS班がその情報をネットで共有できるようにしてからは、スマホ片手で「あぁ、ここで署名やってるんや」とわざわざ立ち寄ってくれる方たちが続々と詰めかけてくれました。次号で最終盤の様子をまとめる予定です。

 

公共政策ラボの今後について その4

2022.12.04

署名活動が始まったのは3月25日。この日はお昼から府庁前でスタートの集会。

大阪府知事の公印が押された「署名用紙」がようやく手もとに届いて、実際に道行く人に受任者もしくは請求代表者がお願いできることになったのですが、今まで街頭で署名活動の経験がある方でも、請求代表者は府下のどの地域でも集めることができるものの、受任者は自らの住んでいる地域で、その地域の方にしかお願いできないという条件が付いています。

府庁前の集会時にようやく届いた署名用紙にそれぞれの「請求代表者」が、まず自分の名前を書いたことが第一筆の署名となりました。TV局なども取材には来ていたのですが、残念ながら多くの人が目にするであろう時間帯での放送を確認できませんでした。

こうして始まった署名活動でしたが、最終的には目標を上回る署名を集められたものの出だしは「好調」とはとてもいえない苦戦が続きます。カジノについてはこれまでも街頭署名活動をそれぞれの団体や組織が取り組んでおられたことから、街頭で声掛けをしても「それは既に署名したよ」という反応や、国に申請を出した時点で「大阪カジノ」については実施方向が決まったのだろうという反応などが多く見られました。

署名自体の要件の複雑さや、受任者という聞きなれない言葉から「責任を持たねばならない」という反応があったのも予想されます。活動開始から3週間余り経った、4月17日に「事務局通信No.1」がHPに掲載されました。これがそのトップに出ていた数字などです。
なお、通信本文はこちら です。

この時点でまだ1割の署名しか集まっていなかったことから事務局では、思うような動きになるきっかけは何だったのか。次号で書きます。

公共政策ラボの今後について その3

2022.12.01

何しろ手探り状態でのスタートだった直接請求運動。

半世紀ぶりの大阪府下での直接請求運動は活動する側も、行政側も未体験の連続。署名用紙の様式なども侃々諤々の議論と、大阪府選管とのやりとりなど、気の遠くなるような作業の連続でした。求める会事務局の情報収集活動や、大阪府選管への連日の取材と談判は日々の動きを見ている側からしても、署名を集めることの困難さだけが浮き彫りになるスタート前の日々でした。

呼びかけ人。請求代表者のひとりではありますが、法律に基づく直接請求運動の細々とした規定は、「一般市民に有効な署名を集められないように」決められているのではと勘繰りたくなるような代物です。これは公職選挙法の規定にも言えることですが、結局は既得権者(現議員、世襲議員など)に有利に働くように設計されているのでしょう。それが、我が国の現実だとは思いながら、「大阪カジノ」というとんでもないものに公金を惜しみなくつぎ込めるような仕組みを通すことが大阪府市にとって未来への大きな負の遺産を作り出すものでしかないという思いから、一緒に活動しようということになりました。

もとめる会(現在は「止める会」に改称)のホームページには当時の手探り状態がよくわかる資料が残されています。例えば署名簿の書き方の説明ですが、⑤署名簿「手引」についてよくある質問 | 夢洲カジノを止める会 (vosaka.net) 事務局では各地からの疑問に答えるべく、様々な情報を発信し続けました。

請求代表者を発足直後は3人くらいという話でしたが、署名簿に請求代表者の自著が必要で、目標数20万筆として、10人分が署名できる署名簿を10万冊作ることになりました。3人で10万冊に自著することの困難さから、一気に50人の請求代表者をお願いすることになったことで、1人当たり2000部の署名簿への自著を連日、事務局でサインしたことも懐かしい思い出ではあります。

公共政策ラボの今後について その2

2022.11.28

今春の直接請求運動を振り返る

今年の3月25日から5月25日まで、法律に基づく直接請求運動、「カジノの是非は府民が決める 住民投票を求める会」の活動は、大阪府では半世紀ぶりに行われたもので、有効投票数を上回る成果をもたらしました。

この運動自体、市民運動や政党活動をされていた陣営からは、大阪府議会の維新過半数と公明党のこれまでの姿勢などから、「汗を流しても否決が目に見えている」という判断で直接請求運動に疑問符をつける方たちが多かったのは事実です。私自身、検討会議の中で、「瞬殺される」ことに対する運動に携わる人たちへのモチベーションの持続をどう見るかという疑問を投げかけたことがあります。

そんな中、求める会山川事務局長を始めとする事務局の周到な準備に加え、役所側の人たちも経験がないことから、半世紀ぶりの大阪府下全域での運動の困難さは求める会のホームページを振り返ると「前途多難」であったことは間違いありません。HPの活動の軌跡:活動のごあんない (vosaka.net)

二度にわたる「大阪市を廃止する」という住民投票を経験した大阪市民ではありますが、結果は市民を3分割(賛成・反対・棄権)した不毛の結果とも見えます。今回は大阪府下全域が対象、つまり72の市区町村で署名を集める人たち(受任者という言葉自体なじみがない)を集めることから長い活動が始まりました。

公共政策ラボとしての関りというより、平松個人での呼びかけ人、請求代表者のひとりとして参加した活動を振り返ることから、大阪の未来への希望を見出すことができる運動へどうつながるかを見極めたいと、PPLホームページに書き残そうと思います。

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